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メタンガスの爆発?中国で起きた爆発事故から【注目の化学災害ニュース】2017年11月のニュースから RISCAD Close UP

投稿日:2017年12月07日 10時00分

2017年11月のニュースファイルから、さんぽチームで活発に議論がされた内容をご紹介いたします。
今回は先月末に起きた中国・浙江省での爆発事故についてClose UPです。
この事故、当初は浄化槽に溜まったメタンガス等の爆発と報道されていましたが・・・

11/26に、中国・浙江省寧波市で爆発が起きました。当初、浄化槽に溜まったメタンガスや硫化水素が原因と報道されており、メタンって怖いなと思いました。

報道で、数キロ先でも爆発音が聞こえたほどの大爆発だったと伝えられていましたので、メタンは開放状態でそれほどの爆発を起こすだろうか、という疑問があったのですが、結果的には違いましたね。

そうですね。キノコ雲が見えたとの報道もありました。実際には、違法に製造した爆発物を親類に送って処理してもらう最中に起きた事故だったようです。
【RISCAD】 中国・集合住宅で違法爆発物の処理中に爆発

都市ガスやLPガスは、密閉していなければさほど怖くない

一般に使用される都市ガスやLPガスは燃焼速度が40cm/s程度と遅いので、開放空間で着火して爆発(燃焼)した時は「ボワッ」という感じです。

ところが、これが 密閉された空間で一定時間圧力が保持されると、最後には、例えば、窓ガラスのような弱い部分を吹き飛ばして一気に圧力を解放するような爆発現象になるわけです。

ガス爆発の被害の差は、それを取り巻く周囲の状況にも大きく影響されるということですね。
炭鉱などでメタンの爆発が起きることはありますが、あれは空気の流れが悪いところにガスが滞留して、何かの原因で着火というストーリーですものね。

ただし、部分的に開口部があると、燃焼に伴う圧力上昇速度と開口部からの圧力開放速度との競争になりますので、燃焼速度の遅いガスでは開口部からガスが逃げて大きな被害になりにくいですが、燃焼速度の速いガスですとガスが逃げるのが間に合わず入れ物そのものが破壊されて被害が大きくなってしまいます。

参考までに、RISCAD事例検索画面の「検索キーワード」に「ガス」と入力していただくと、爆発事故に限りませんが、2,334件もの関連事故が出てきます。

ちなみに今回の事故で、爆発の原因と言われている、アルミニウムと硝酸バリウムだとどんな風に爆発まで至るのでしょうか?

それぞれの物質の状態や他の混合物にもよりますが、アルミニウムは可燃物、硝酸バリウムは酸化剤ですので、火薬類の爆発ような反応が起きる可能性はあります。

【編集後記】

日本ではほとんど聞かない違法爆発物製造、処理ですが、今回の中国の事故、当局にばれるのを怖れて親戚に爆発物を送り解体を依頼するとは、そもそも何のために違法爆発物を製造したのでしょうか。また、爆発物を送る(どういう手段であったかは不明ですが)ことができてしまうというのも、非常に危険ですね。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子