そのごみ、可燃ごみ?不燃ごみ?それとも?【注目の化学災害ニュース】2020年6月のニュースから RISCAD CloseUP

投稿日:2020年07月02日 10時00分

このところ3回にわたり、新型コロナウイルス(COVID-19)流行が関連する内容をお送りいたしました。4月、5月は「エタノールの特性と分類−消毒用エタノールは引火性液体−」「消毒用エチルアルコールを取り扱う時に注意すべきこと」と、COVID-19の流行で急に私たちの身近なものになったエタノールについて、6月は「実験をしなければ事故が起きない、は良いことなのか−教育現場での安全教育の可能性−」ということで、COVID-19の流行影響で臨時休校となった学校についてお送りいたしました。今月はCOVID-19の流行と直接は関係がありませんが、国内のある地域で、外出自粛期間中に増加したごみ収集車の火災に着目し、「そのごみ、可燃ごみ?不燃ごみ?それとも?」と題して、ごみの分別についてClose UPです。

外出自粛期間、何をして過ごしましたか?

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を最小限に抑えるための緊急事態宣言が解除されて1ヶ月余りが経ちました。まだまだ予断を許さない状態ではありますが、外出自粛が段階的に緩和されたことで、基本的な感染防止策をとりつつ、日常生活を再開された方が多いかと思われます。

緊急事態宣言発出後の外出自粛期間中は、必然的に自宅にいる時間が長くなったかと思いますが、みなさんは何をして過ごされましたか?

国内のある地域では、外出自粛期間中にごみ収集車火災が例年よりも多く発生したとの報道*(【参考情報】参照)がありました。それは、外出自粛期間中に大掃除をして、ごみが大量に出た結果と推測されます。みなさんの中でも、この機会に思い切って!と大掃除をされたという方は多かったのではないでしょうか。

可燃か不燃か、それだけが問題なのか?

その地域では、外出自粛期間中の不燃ごみの量が、昨年2019年の同時期と比較しておよそ1,000t以上増加していたとのことで、先に推測したように、外出自粛期間中に家の中の掃除や片付けをして、多量の不燃ごみが出されたと思われます。

ごみ収集車火災は、外出自粛期間中に6件ほど起きたそうですが、全て不燃ごみの日であったそうです。可燃ごみの日ではなく、不燃ごみの日に集中していたということは、ごみを出した人が不燃ごみとして分別したものに、火災の原因となるごみが混入していた可能性があると考えられるのですが、一体どのようなごみが原因で火災が起きたのでしょうか。

私たちが明らかに可燃ごみでないと考えるもので、不燃ごみに混入して火災の原因となる可能性があるものといえば・・・このコーナーではおなじみの、スプレー缶リチウムイオン電池が思い浮かびますが、今回の火災もこれらのごみが原因だったのです。

燃えないけれど危険なごみ

その地域のごみの分別ルールでは、スプレー缶やリチウムイオン電池は、「発火性危険物」に分類されるそうです。例えば、スプレー缶であれば、収集の際にごみ収集車の荷箱内の回転板やプレス板で圧しつぶされることが原因で、缶の中の残留ガスが漏洩して着火するなどの危険性があります。そのような事故を避けるため、発火性危険物は別途カゴに入れて助手席に置くなどの回収方法が取られていたそうです。

地域のごみ分別ルールをネット検索して確認してみたところ、不燃ごみの説明には「スプレー缶、使い捨てライターは発火性危険物として出すこと(ごみ収集車や処理施設での火災の原因となるので不燃ごみの中に入れないこと)」といった記載がありました。また、発火性危険物の説明には「ごみの破砕処理施設やごみ収集車での火災事故防止のため、スプレー缶類、使い捨てライター、缶入り固形燃料、リチウム電池(充電できないもの)を発火性危険物として収集している」との記載がありました。

そして、発火性危険物は不燃ごみの日ではなく、可燃ごみの日に、可燃ごみとは分け、指定の袋または中身が確認できる透明・半透明の袋に入れて、可燃ごみとの距離を少し離して出すようにとの記載がありました。

もう一度確認しましょう、地域のごみ分別ルール

このことから、地域での一連の不燃ごみの日のごみ収集車火災は、たまの大掃除をして出たごみの分別や出し方のルールを、正しく理解していなかったことが原因で起きたと推測することができます。大掃除で出たスプレー缶やリチウムイオン電池などのごみを、感覚で不燃ごみと分別したか、もしかすると発火性危険物というゴミの分別があるという認識がなかった可能性も考えられます。

ごみ収集車やごみ処理場の火災が起きると、作業員の方が危険な目にあう可能性があるのはもちろんですが、自治体が所有するそれらのインフラの損傷につながります。インフラの新規導入や修繕には莫大な費用がかかることがあり、また、ごみ処理場が損傷した場合にはごみの受け入れが停止されることもあります。私たちの生活とは切っても切り離せない、ごみの問題。もう一度、お住いの自治体のごみの分別、出し方ルールを確認し、ごみが原因となる事故をなくしていきましょう。

【参考情報】*

【さんぽのひろば 過去の参考記事】


【編集後記】

このコーナーでごみに関連することをお話しする際に、必ずお伝えしていることがあります。それは、ごみの出し方には自治体ごとのルールがあり、回収方法も様々であるということ。

今回例にあげた地域では前述のようなルールになっていましたが、あなたのお住いの自治体ではまた違うルールが設けられているはずです。また、ルールは恒久的なものではなく、変更になる場合もあります。繰り返しになりますが、これを機に、もう一度お住いの自治体のごみの分別、出し方ルールを確認してみましょう。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子