RISCAD Update – 2017年8月第5週&9月第1週【週刊化学災害ニュース】

2017/8/25 16:00 - 9/1 16:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2017年09月06日 10時00分

*2017/5/15発生の、神奈川・製鉄所の熱延工場電気室のコンデンサから火災
:(今年5月の事故)電動機に電源供給などを行う変換器盤のコンデンサからのオイル漏れが原因
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9034

*2017/8/25発生の、愛知・養鶏場の鶏糞貯蔵倉庫で火災
:貯蔵されていた鶏糞が発酵による蓄熱で自然発火した可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9035

*2017/8/31発生の、米国・化学工場で洪水により冷却用電源が喪失して化学物質が爆発
:ハリケーン「ハービー」がもたらした大雨による洪水で有機過酸化物冷却用電源が喪失
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9037

 8/31の米国の化学工場での爆発事故ですが、自然災害(ハリケーン)による洪水で停電が起き、冷却用電源が喪失、また予備電源も故障したことが原因となり起きました。

 事故前日の時点で、工場側は冷却用電源を失ったため爆発が避けられないことを表明しており、従業員と近隣住民に避難命令がだされていたため、現在のところこの爆発による死者は報告されていません。(警察官15名が黒煙を吸って手当てを受けたようですが、軽傷の模様)

 しかし、まだ同工場内の他の場所にも有機過酸化物があるため、いつ爆発が起きるかわからず、予断を許さない状況のようです。いつまた爆発が起きるかわからない状況での新たな予備電源の運び込みは難しいものと思われます。また、工場はまだ約1.8mの水に浸かっているとのこと。

 日本ではまだあまり知られていませんが、このように洪水や地震、津波などが発端となって起こる産業施設の事故はNatech(ナテック)※と呼ばれ、今回のように異常気象による洪水の被害が多い欧米では、その未然防止と被害の拡大防止について、活発に議論されています。
※Natech(NAtural-Hazard Triggered TECHnological Accidents;自然災害に起因する産業事故)

 東日本大震災の時もそうでしたが、異常気象を含めた自然災害については、「絶対に起こらない」ことはなく、「想定外のことはいつでも起こり得る」ということを肝に銘じて生きていかなければならない時代になってきたと感じます。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子