RISCAD Update 2018年1月第5週&2月第1週【週刊化学災害ニュース】

2018/01/26 12:00 - 2018/02/02 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2018年02月07日 10時00分

*2017/09/25発生の、静岡・中学生が学校から持ち帰った水銀が土壌に漏洩
:(昨年9月の事故)教諭が実験後に水銀を保管庫に入れず、実験台に置いていた
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9164

*2018/01/16発生の、宮城・高校の化学実験室で保管中の化学薬品から火災
:約半年にわたり床に置いた段ボール箱に入れて保管していた薬品から出火した可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9165

*2018/01/26発生の、三重・ポリウレタンフォーム工場の製品保管庫で火災
:台所用スポンジやベッドマット、自動車の座席などに使用されるポリウレタンフォームを製造する工場での火災
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9166

*2018/01/29発生の、台湾・製油所で爆発,火災
:加熱炉の配管が何かの原因で破裂した可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9167

*2018/01/30発生の、徳島・変電所隣接の木材加工工場の火災で停電
:木材加工工場の火災により、隣接する変電所の配線が損傷して周辺約6,000戸が約3時間にわたり停電
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9168

先週、昨年9月に起きた、静岡での 中学生が学校から持ち帰った水銀が土壌に漏洩というニュースが入ってきました。

詳細は上記リンク先の通りなのですが、「水銀」でちょっと思い出したことがあり、書かせていただきます。

私が小学生の頃、1980年代前半(昭和50年代半ば)は体温を測る「体温計」は今のように電子式が主流ではなく、ほとんどが「水銀」を使用したガラス製の「水銀式体温計」でした。

その水銀式体温計ですが、私の中で記憶に残っているエピソードがあります。

小学校低学年の頃、体調不良で保健室に行った際に、他にも体調不良で保健室に来ている児童がおり「水銀式体温計」で検温していました。そろそろいいだろうと脇の下から体温計を抜いたところ、その体温計が落下して割れてしまったのです。

すると、中から出てきた銀色のものが数個、床にコロコロと転がり、そしてそそれらがくっつくなどして変形もするのです。小学生の私は、「えっ!あの細長い体温計の中には銀のボールが入っているの?でも、ボールとボールはくっついたし・・・。あんなに自由に形を変えるものは見たことがない!」と思いました。

養護教諭は「これは『水銀』といって、毒だから触っちゃだめよ。」とほうきとちりとりを持ってきて、掃き集めていました。ちなみに体温計に使用されていた水銀は「金属水銀」で、常温でもわずかに気化するので、蒸気を吸わないように注意する必要があります。

今回実験で使用した「水銀」を持ち出した生徒は、「家で実験をしてみたかった」と言っていたそうです。もしかしたら、小学生のときに割れた体温計から出てきた「金属水銀」を見たときの私と同じように、授業で見たその不思議な形態変化をする物質に興味を持ったのかもしれないと思いました。大変危険なことなので、もちろんこのようなことがあってはならないのですが、生徒の好奇心と興味には同感してしまう自分がいます。

いくら危険なものといわれても、子供にとって消えない好奇心は存在します。それは大人でもそうかもしれません。

今回の事故では、幸い土壌汚染による健康被害はありませんでしたが、相対的に考えると、管理者であり監督者である教諭が、授業後にすぐに水銀を保管庫にしまわなかったという「安全管理不備」、「危険意識不足」、そして教諭から生徒への水銀の危険性についての「教育不足」が問題かもしれないと個人的に考えたのでした。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子