RISCAD Update – 2018年12月第2週【週刊化学災害ニュース】

2018/12/07 12:00 - 2018/12/14 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2018年12月19日 10時00分

*2018/12/05発生の、米国・通信販売配送センターで害獣撃退用スプレー缶が破損
:商品の仕分けをするロボットの誤作動により、商品の害獣駆除用スプレー缶が破損し、内容物のカプサイシンなどが漏洩
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9376

*2018/12/08発生の、福島・駐車場の白線敷設作業中にLPガスボイラから火災
LPガスボイラから何かの原因で出火した可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9377

*2018/12/09発生の、富山・火力発電所のボイラ配管から蒸気が漏洩
ボイラ配管の逆流防止弁周辺の部品が破損した可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9378

*2018/12/09発生の、三重・ガソリンスタンドでガソリンが混入した灯油を販売
タンクローリの燃料補給配管を仕切る中間バルブが十分閉まっておらず、ガソリンが混入した灯油が灯油タンクに補給された可能性。約2,400Lが販売されたが、12/14に全て回収された
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9379

*2018/12/11発生の、福岡・廃棄物集積場で金属スクラップ火災
同集積所には家電製品などの金属スクラップが野積みされていた
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9380

*2018/12/11発生の、メキシコ・祭礼用の仕掛け花火が爆発
火炎を噴出するロケットなどを含む合計約11kgの火薬が何かの原因で爆発
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9381

12/6、過去に起きた2件の事故のその後のニュースが報道されました。

1件目は、2017/07/28に発生した、愛知・製紙工場で廃水処理用のアンモニア水が漏洩についてです。

この事故、当初はアンモニア水タンクの配管破裂とされていましたが、実際には、同タンクの液面計交換作業中に、錆びついて回らなくなっていたバルブを操作しようとして同バルブが破損し、そこからアンモニア水が漏洩したということだったようです。

社員1名がアンモニア水を浴びて死亡し、2名が軽傷を負ったこの事故、今年4/25に、事故防止の措置を講じなかったとして、県警が同工場の特定化学物質作業主任者と操業長を業務上過失致死傷容疑で、また労働基準監督署が同社と操業長を労働安全衛生法違反容疑でそれぞれ書類送検しました。理由は明らかにされていないとのことですが、12/6、名古屋地検は2名を不起訴処分としました。

2件目は、2018/06/06に発生した、石川・製紙工場で古紙溶解タンクの検査中に硫化水素中毒についてです。

こちらの事故は、当初、会社側に古紙溶解タンク内で硫化水素が発生する可能性があるという認識がなかったとされていましたが、実際には、同工場の技術顧問兼安全管理責任者はそれを認識していたのに、現場立会いやガス濃度計測、マスク着用の指示をしていなかったとのことです。
そもそも、同タンクに入る際の安全対策マニュアルが整備されていなかったとのことではありましたが、会社側に危険を伴う作業であるという認識がなかったためにマニュアルがなかったわけではなく、認識していたのにマニュアルがなかったということになります。

社員3名が硫化水素中毒で死亡したこの事故は、12/6に、県警が同工場の技術顧問兼安全管理責任者を業務上過失致死容疑で,また,労働基準監督署は同社と技術顧問兼安全管理責任者を労働安全衛生法違反容疑で,それぞれ書類送検しました。

今回、事故のその後をお知らせした上記2件は、奇しくも製紙工場での事故でした。

*この事故報告書の発表に伴い、上記2件の事例のRISCAD概要も更新いたしました。
  

さて、このRISCAD Updateは今回が今年最後の更新となります。次回は年明け、2019/1/16を予定しております。

今年も読者のみなさまには大変お世話になりました。来年も、産業保安ポータルサイト「さんぽのひろば」ならびにこの「RISCAD Update」などの「さんぽニュース」 のコーナーをよろしくお願いいたします。

 

さんぽニュース編集員 伊藤貴子