RISCAD Update 2019年4月第1週【週刊化学災害ニュース】

2019/03/29 12:00 - 2019/04/04 16:30時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2019年04月10日 10時00分

(現在、RISCADはリニューアルのため公開停止中です)

*2019/03/29発生の、仙台・美容室でスプレー缶のガス抜き作業中に爆発
:美容室の従業員が給湯室でヘアスプレー缶のガス抜き後に、給湯器のスイッチを入れた際に爆発。スプレー缶から抜けたガスが同室に滞留しており、給湯器の点火時の火花で着火した可能性。同従業員は顔や両手にやけどで軽傷を負った

*2019/03/29発生の、中国・パーライト工場でガス爆発
:工場内で液化天然ガスが漏洩し、何かの原因で着火した可能性。作業員5名が死亡し、3名が軽傷を負った。パーライトとは、パーライト原石などを高温で加熱して岩石中の水分を急激に蒸発させて製造する人工発泡体

*2019/03/30発生の、北海道・リサイクル工場の倉庫で火災
:従業員が火災発生の1時間半前頃まで同倉庫内で発泡スチロールの溶解作業をしていた。従業員1名が顔にやけどを負い、煙を吸って病院に搬送された

*2019/03/31発生の、中国・精密金属加工工場の廃棄物コンテナで爆発、火災
:金属廃棄物を保管していたコンテナで爆発が起き、近くの工場に延焼した。7名が死亡し、1名が重傷、4名が軽傷を負った

*2019/04/02発生の、米国・化学工場で爆発、火災
:不凍液や燃料添加剤などを製造する化学工場での事故。何かの原因で化学薬品の輸送配管から出火して、タンク内のイソブチレンに着火し、エタノールやエチルアセチレンなどを保管する倉庫に延焼した可能性。作業員1名が死亡、2名が重体となりヘリコプタで病院に搬送された

3/21に中国・江蘇省塩城市で起きた、農薬工場の廃棄物倉庫での爆発事故(*1)ですが、当局が同工場があった工業団地を閉鎖するというニュースが入ってきました。爆発の起きた廃棄物倉庫があった跡地には大きなクレータができたとのことでしたが、同工業団地自体も大きな爆発の影響で壊滅状態になっていたようです。

中国での大きな爆発事故というと記憶に新しいのが、2015/8/12に天津市で起きた危険物倉庫での爆発(*2)です。

こちらの事故の際にも、爆発現場周辺にクレータができたという情報があり、死者は、3/21の塩城市での事故の約2倍に上りました。

この天津の爆発事故の後、中国国内で爆発事故が続いた記憶がありますが、今回も、3/29の山東省青州市のパーライト工場でのガス爆発、3/31の江蘇省昆山市の精密金属加工工場の廃棄物コンテナでの爆発、火災と、事故が続いています。とはいえ、中国の国土面積の広さを考えると、何でも一括りにしてはいけないのは承知していますが、今回の3件の事故は、お隣同士の山東省と江蘇省およそ600km圏内(距離は伊藤の地図上での目測による)と、中国では比較的近い地域で起きたようです。

長い期間事故をウオッチしていると、国内国外問わず、事故が同じ地域で続くことがあります。偶然だとは思いますが、近くで事故が起きた時には(もちろん遠くでも同じですが、近い場所だとより身近に親身に考えられるという意味も込めて)、対岸の火事とせず、身を引き締める機会になればと考えます。

*1:2019/3/21 中国・江蘇省塩城市の農薬工場の廃棄物倉庫で爆発
農薬原料のベンゼンに何かの原因で着火した可能性。固体廃棄物倉庫が爆発の中心部であったとみられ、同倉庫跡には大きなクレータができた。死者78名、重体、13名、重傷66名、その他傷者約500名となり、住民ら3,000名が避難した

*2:2015/8/12 中国・天津市の化学物質倉庫で爆発
物流会社の化学物質倉庫で起きた爆発事故。同倉庫には毒物や酸化物、可燃性物質を含む危険物40種類以上が約3,000t保管されており、中でも毒物のシアン化ナトリウムは通常の保管許容量の約30倍の700tが違法に保管されていた。同じく貯蔵されていたニトロセルロースが天候による高温と乾燥のため自然発火し、他の可燃性物質に着火した可能性がある。また、消防が消火活動の際に,貯蔵されている化学物質の種類を知らずに放水したため,硝酸アンモニウムと水が反応して爆発が起きた可能性がある。死者165名、行方不明8名、傷者798名となり、多数の住民が避難した

さんぽニュース編集員 伊藤貴子