RISCAD Update 2019年9月第3-4週【週刊化学災害ニュース】

2019/09/13 12:00 – 2019/09/27 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2019年09月20日 10時00分

(現在、RISCADはリニューアルのため公開停止中です)


*2019/09/13発生の、宮崎・医療用品工場で蒸留塔解体作業中に火災
:工場では人工腎臓フィルタを製造しており、蒸留塔はフィルタ製造に使用する有機溶剤からの水分除去に使用されていた。蒸留塔解体のための配管の切断作業中に、内部に残留していた有機溶剤に切断機材の火花で着火した可能性

*2019/09/16発生の、ロシア・生物学研究所で改装工事中にガス爆発、火災
:研究所はバイオセーフティレベル4の実験施設で、炭疽菌、天然痘ウイルス、エボラ出血熱ウイルスなどの試料を保管していたが、火災のあった衛生検査室にはウイルスなどは保管されていなかった。同室は改修工事中で、何かの原因で室内にあったガスボンベから漏洩したガスに着火した可能性

*2019/09/17発生の、大分・樹脂原料工場でアルキルアルミニウムが漏洩して自然発火
:工場では樹脂原料を製造する工程でアルキルアルミニウムを使用していた。アルキルアルミニウムを容器からタンクに移す際に、何かの原因で破損した配管から漏洩して空気に触れて自然発火した可能性。アルキルアルミニウムは放水消火ができないため消火活動は難航し、粉末状の消火剤や砂などを使用して約31時間後に鎮火した

*2019/09/18発生の、トルコ・化学工場で火災、爆発
:火災は約2時間後に鎮圧したが、工場内にあった金属製のタンクが火災の炎で加熱されて内圧が上昇して破裂し、その勢いで、破片を飛散させながら上空に飛んで付近の道路に落下した

*2019/09/19発生の、福井・原子力発電所敷地内のトンネル工事中に一酸化炭素中毒
:トンネル内では作業員40名が作業中で、最も奥の部分では10名がアセチレンガスを使用して溶接作業をしていた。トンネル内の換気状態が悪く、一酸化炭素中毒が起きた可能性。計9名が病院に救急搬送された

*2019/09/22発生の、福岡・台風に備えて渡船から軽油移送中に海に流出
:台風の接近に備えて造船所に避難中であった台船が、船のタンクから別のタンクに燃料の軽油を移送中に、軽油約50Lが海に流出した

*2019/09/23発生の、広島・ガソリンスタンドで入れ間違えた燃料の抜取作業中に爆発、火災
:ガソリンスタンドの従業員が、トラックの荷台に乗せたガソリン燃料の工事用機材に誤って軽油を給油したため、軽油の抜取作業をしており、何かの原因で燃料に着火した可能性

9/11に打上げ予定であった無人補給用ロケットの発射準備中、発射台で火災が起きて同ロケットの打上げが延期になりました。

無人補給用ロケットは、ISS(国際宇宙ステーション)に水や食料、バッテリなどの物資を運ぶために打上げられており、打上げに大幅な遅れが出ると物資の補給も遅れますが、そのような事態を想定してISSには十分な備蓄があるとのことでした。

さて、打上げ延期の原因となった、発射台での火災はなぜ起きたのでしょうか。当初は、発射台の底部にある、発射時に補助ロケットから出る炎や噴煙を逃がす開口部付近が出火場所であるということまでしか判明していませんでしたが、原因究明のための調査の結果、以下のことが判明したようです。

・本来ならば余剰分は風で外部に拡散するはずのロケットのエンジン冷却に使用する液体酸素が、当日の風が弱かったことで、ロケットの下部にたまり、表面を断熱材と耐熱材の2層で保護された鋼製の発射台の開口部周辺に垂れた
・開口部付近に高濃度の液体酸素が垂れたことで、周辺の酸素濃度が高まり、その後、静電気などで断熱材に着火した可能性
・ロケット製造会社は、対策として、帯電防止のアルミシートを設置することで再打上げに挑んだ

結果として、同ロケットは9/24に無事打上げられ、9/29にISSに無事ドッキングし、物資の補給が完了したとのことです。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子