RISCAD Update 2020年2月第2週【週刊化学災害ニュース】

2020/02/07 12:00– 2020/02/14 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年02月19日 10時00分

(現在、RISCADはリニューアルのため公開停止中です)


*2020/02/01発生の、岐阜・生コンクリート工場から灯油が川に流出
:工場内の暖房に使用する灯油を貯蔵したタンクから灯油約2,200Lが漏洩。工場敷地内の水路や沈殿槽から約2,000Lの灯油が回収されたが、約200Lは土壌や河川に流出した。タンク内の容量監視装置の不具合で灯油があふれた可能性

*2020/02/03発生の、青森・建設中の原子力発電所敷地内で化学消防車の火災
:建設中の原子力発電所敷地内の車庫に停められていた化学消防車の火災。同車両の後部が焼損したが、他の車両や建屋に被害なし。冬期の車両のタンク底面の凍結に備えて、タンク内の水をほぼ抜いた状態で電熱線ヒータが入れられていた。何かの原因で稼働中のヒータの固定が緩み、タンクの側面または底面に接触して出火した可能性

*2020/02/10発生の、大分・河川敷の橋脚建設工事中に不発弾発見
:河川敷の橋脚建設工事中に地中から、第二次世界大戦中のものとみられる米国製1t爆弾の不発弾が見つかった。信管が付いており爆発の可能性があったため、自衛隊が出動して信管を外す処理を行い、約5時間半後に安全が確保された

*2020/02/11発生の、鹿児島・養豚場の豚舎で火災
:豚舎1棟約900平方mが全焼し、飼育中の子豚約750頭が焼死

*2020/02/11発生の、千葉・飲食店の厨房で殺虫剤のガスで爆発
:厨房の業務用食器洗浄機の下にいたゴキブリを駆除するため、殺虫剤を30秒ほど連続噴射し、殺虫剤の噴射剤の可燃性ガスが周辺に充満して調理中の火で着火した可能性。殺虫剤を使用した店長1名と店員1名が腕や喉にやけどを負い、客2名、店外の道路を通行中の1名が爆発音による耳鳴りの症状となったが全員軽傷

*2020/02/12発生の、山形・警察署で拳銃の点検後に誤射
:警官が拳銃を点検後に、点検のために外した実弾を戻して拳銃保管室の保管庫に戻す際、弾丸1発を誤射。拳銃に銃弾を戻した後弾倉部の不具合に気づき、実弾を入れたことを失念して動作確認のために誤って引金を引いた可能性。けが人なし

先週は水道管がらみで道路に水が噴出する事故が3件起きました。
2/8 神奈川・水道管工事中に歩道のマンホールから水が噴出
水道管工事中にマンホールから約10m以上の高さまで水が噴出。業者がマンホールを開けて空気弁の取替工事の際、送水管と空気弁をつなぐ仕切弁を閉止するところ、完全に閉止せずに作業を行った可能性

2/11 石川・駅前の県道で水道管が破損して水が噴出
地下1.6mの深さに埋設された直径約20cmの鋼製水道管が破損して水が噴出。老朽化による経年劣化や、自動車の交通量が多い道路の地下に埋設されていたため、振動による疲労などが原因で破損した可能性

2/12 北海道・水道管が破損して水が噴出
寒さや凍結が原因で、老朽化した水道管が破損し水が噴出した可能性。当日朝は最低気温約-18度を記録した
2018年11月のこのコーナーで、地中に埋設された水道管が破裂する事故が多発しているという内容をお伝えしましたが、この際にも耐用年数約40年を超えた水道管を使用し続けていることが一因であることに触れました。

今回の石川、北海道の事例でも「老朽化」がキーワードになっています。神奈川の事例では、仕切弁を完全に閉止せずに作業を行ったことが原因とのことで、人為的ミスの可能性がありますが、この仕切弁自体も設置から30数年経過していたとのことです。

日本に初めて近代水道が敷設されたのは1887年(明治20年)神奈川県横浜市でした。全国への整備は、その後の2度の大戦から戦後の復興期にかけて停滞したものの、高度経済成長期に入り大きく拡張されました。

高度経済成長期は、おおよそ1950年代半ばから1970年代前半頃までを指し、ざっと計算しても現在はそれから約45-60年以上が経過しているということになります。高度経済成長期に整備されたインフラは水道以外にも多数あると思われますが、現在それらのインフラが一気に老朽化を迎えている可能性があります。

水道管は基本的には地下に埋設されており、一度に全ての水道管の更新作業をすることはほぼ不可能に近いため、何回にも分けて場所を区切って行うことになります。また、すべての水道管の更新には莫大な費用がかかります。

産業や生活の基盤となるインフラについては、その規模が大きなものがほとんどであると推測されることから、更新や修繕作業には水道管のケースと同様のことが言えると思います。

インフラの老朽化への対策は、産業や生活に影響が出る前にすべきことではありますが、果たして老朽化による破損や故障、不具合発生のスピードに、費用を捻出して措置するまでの時間は追いつけるでしょうか。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子