RISCAD Update 2020年6月第2週【週刊化学災害ニュース】

2020/06/05 12:00– 2020/06/12 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年06月17日 10時00分

【お知らせ】
大変長らくお待たせいたしましたが、 リレーショナル化学災害データベース RISCADhttps://r2.aist-riss.jp)のリニューアルが完了いたしました。
これからもみなさまのお役に立てるデータベースを目指し精進してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。



*2020/06/07発生の、韓国・農産物倉庫で火災
:輸入された野菜類が低温保存された倉庫の火災。付近でのごみ焼却の火で延焼した可能性

*2020/06/09発生の、インド・天然ガス井でガスが漏洩して爆発、火災
:5/26にガスの漏洩が確認され、漏洩停止措置を行っていたが、何かの原因で漏洩したガスに着火した可能性

*2020/06/09発生の、長崎・造船所で修理中の船舶で火災
:造船所で定期修理中の巻網運搬船での火災。逃げ遅れた作業員2名が死亡

*2020/06/10発生の、滋賀・化学工場で設備解体作業中に爆発
:樹脂膜製造工場内の休止設備解体作業中の爆発事故。作業員1名が死亡。死亡した作業員は同設備内のステンレス製の有機溶剤を入れていた箱の解体を行っていた。箱内に残留していた有機溶剤に何かの原因で着火した可能性

*2020/06/12発生の、富山・化学工場の倉庫で塩素剤の火災
:プールの水質浄化に使用する塩素剤の火災。約4時間後に消火したが、有害な煙が発生した

*2020/06/12発生の、北海道・ガソリンスタンドで給油機に自動車が衝突して火災
:スタンドの従業員が給油のため客の自動車を移動させる際に、誤って車両前方を給油機に衝突させたため給油機が倒壊した可能性


6月に入り、季節は移り変わり、例年通り梅雨入りしましたね。

今月が終われば2020年も折り返し、ということになるわけですが、今年はCOVID-19の影響で、特にここ3ヶ月ほどは、私たちを取り巻く環境、生活様式が目まぐるしく変化しました。

そのような変化の中、先月初旬頃からでしょうか、よく目にするようになったものがあります。

店舗のレジ付近などに設置された、飛沫防止シートです。

4月に、大阪でその飛沫防止シートに関連する火災が起きました。

その概要は、商業施設内のたばこ売り場で、客が購入しようといていたライターを試しに点火した際に、レジカウンターに設置された飛沫防止シートに着火したというものでした。

このような事故を防ぐためには、かつてRISCAD CloseUPで触れた消毒用エチルアルコール(エタノール)のように、新規の物質、慣れない物質を扱う際にあらかじめ注意すべき点を確認しておくことが有益であると考えます。今回は物質というより、新しい生活習慣に伴う感染防止用物品の設置ということになるのでしょうが、同様のことが言えるかと思います。

飛沫防止シートは現在のところ、樹脂製フィルムが多いとのことで、それらは火気を近づければ容易に着火し、瞬く間に燃え広がる可燃性のものです。燃えにくい加工がされた防炎のシートもあるようですが、通常の樹脂製フィルムよりも価格が高いそうです。

冷静に考えれば、燃えやすい樹脂の近くで火気を使用するのは厳禁です。しかし、上記事故の場合、ライターを購入しようとした男性は、飛沫防止シートが設置される前から、たばこ売り場やコンビニエンスストア等でライターを購入する機会があり、レジ付近にあるライターを手に取り、購入前に試しに点火してみるのが習慣であった可能性があると想像されます。

つい癖でやってしまうことが命取りになる場合もあるのです。飛沫防止シートについては、設置場所付近での火気による着火の危険性はもちろん、場合によっては設置位置が照明と近いことで、その熱で溶けたり着火したりすることも想定できるかと思います。

現在、全国各地の消防から注意喚起がされているようですので、ニュース等で情報を得て、新しい生活様式、そして感染拡大防止策が原因で事故が起きないよう、安全意識の向上を図りましょう。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子