RISCAD Update 2020年6月第3週【週刊化学災害ニュース】

2020/06/12 12:00– 2020/06/19 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年06月24日 10時00分

【お知らせ】
大変長らくお待たせいたしましたが、 リレーショナル化学災害データベース RISCADhttps://r2.aist-riss.jp)のリニューアルが完了いたしました。
これからもみなさまのお役に立てるデータベースを目指し精進してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。



*2020/06/12発生の、フランス・港で改修中の原子力潜水艦で火災
:改修工事のため港に着岸中の原子力潜水での火災。核燃料や物資は積載していなかった

*2020/06/13発生の、中国・高速道路で走行中のタンクローリが爆発
:約20tのLPガスを積載したタンクローリの走行中の爆発、火災事故。何かの原因でタンク内のLPガスが漏洩して着火した可能性。19名が死亡、24名が重傷、148名が負傷

*2020/06/14発生の、三重・自動車工場の配電盤で通電確認中に短絡
:停止中の溶鉱炉につながる配電盤の通電確認中の事故。配電盤が短絡して出た火花が周囲に飛散したか、感電した可能性。社員1名と派遣社員1名がやけどで重傷

*2020/06/16発生の、長野・中学校の理科室で教員がエタノール蒸留中に火災
:教員2名が理科室で、ゴム栓付きのフラスコに消毒用エタノールを入れ、カセットコンロで加熱して蒸留中に何かの原因でゴム栓が外れ、気化したエタノールにコンロの火で着火した可能性。教員らは、校内に保管されていた金属製容器に入った消毒用エタノールが容器の錆で変色したため、再利用するために蒸留していた

*2020/06/16発生の、神奈川・港に停泊中の客船で溶接作業中に火災
:資材置場付近でバーナを使用して溶接作業中の火災。溶接火花が飛んで資材置場内の資材に着火したか、溶接時の熱が資材置場の鋼製の壁に伝わり、高温となって資材が発火した可能性

*2020/06/17発生の、山形・大学の有機エレクトロニクス関連の研究施設で廃棄物から火災
:研究室内の廃棄物から出火した可能性。火災があった研究室の真下の部屋に禁水性物質があったため、消防は放水はせず、粉末消火器で消火した。初期消火にあたった職員3名が煙を吸いこみ気道熱傷で軽傷


昨年6月に、福井県で以下の事故が起きました。
2019/06/20 福井・化学繊維工場で改修中に火災
化学繊維製造工場で火災が起きた。消防車両約37台、消防士約245名が出動して約7時間後に鎮火したが、同敷地内の工場3棟と鉄筋コンクリート造3階建ての事務所1棟の計4棟、約3,500平方mが全焼した。従業員3名、外国人技能実習生1名が死亡し、従業員4名が気道熱傷などで軽傷を負った。消火活動中の消防士1名が軽傷を負った。同工場では従業員ら60名以上が勤務中であったが、屋外に避難した。火災による停電で、第2工場と第3工場の通路に設置された樹脂製のシャッターのうち1つが開かず、従業員がこじ開けて避難した。町が近隣住民に避難を呼びかけた。近隣の中学校では、学校の催しで体育館にいた生徒ら約300名を町のバスなどで帰宅させた。同工場周辺では、ケーブルテレビや電話回線にも支障が出て、民家5件で停電が起きた。警察と消防の調べでは、同工場では計300-400機の織機を稼動させて洋服の裏地類などを製造していた。第1工場は足場を組んで改修工事中で、溶接作業やボイラの補修などを行なっており、同建屋の壁の燃え方が激しかったことから、何かの原因でボイラ室から出火した可能性がある。同工場にはスプリンクラが設置されていなかったが、消防法上の設置義務がない構造の建屋であった。
(事故当時の情報での概要)
事故後、総務省消防庁の消防研究センターが火災原因の調査を行いました。町消防本部は、その報告を受け、以下のような原因の推定はできたものの、出火原因の特定に至らずとの結論を出し、6/18、町議会に報告したそうです。

・出火の原因としては、工場内のコンセントや配線など、電気系統のショート、改修工事に伴う溶接作業の火花が落下したことなどが考えられる
・断熱材のウレタンが工場の壁に直接吹き付けられていたことで、広範囲に早く燃え拡がった可能性がある

外国人実習生1名を含む、従業員計4名の尊い命が失われた事故でした。工場では、火災からちょうど1年後の6/20、火災発生と同時刻に、亡くなった方への黙祷を捧げた後、消防訓練が行われたそうです。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子