RISCAD Update 2020年7月第2週【週刊化学災害ニュース】

この度の令和2年7月豪雨の影響により被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

2020/07/02 12:00– 2020/07/10 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年07月15日 10時00分



*2020/07/03発生の、トルコ・花火工場で爆発、火災
:工場内には新型コロナウイルス流行の影響で売れ残った煙火約110tが保管されており、何かの原因で煙火に着火した可能性。工場では189名が勤務中で、4名が死亡、3名が行方不明、114名が負傷

*2020/07/04発生の、熊本・豪雨により炭素製品工場の炉で水蒸気爆発
:豪雨により工場が冠水し、黒鉛化炉に雨水が流入して水蒸気爆発が起きた可能性

*2020/07/05発生の、静岡・家庭用品工場の倉庫で火災
:倉庫の1階は洗剤の袋詰をするための作業場として使用されており、洗剤の原料計約230tが保管され、機械類が設置されていた。2階には製品のメラミン製スポンジなどが置かれていた。爆発的延焼が発生した可能性があり、火元の確認のために倉庫内に入った消防士3名と警察官1名が殉職。鎮火には約30時間を要した

*2020/07/06発生の、大阪・船のタンク内で清掃作業中に酸欠
:港に停泊中の砂利運搬船での、深さ約4mのタンク内清掃作業中の酸欠事故。作業員3名が死亡。タンク内から有害ガスは検出されなかったが、酸素濃度が通常の1/10程度であった

*2020/07/07発生の、兵庫・車でドライアイス運搬中に二酸化炭素中毒
:軽乗用車でドライアイスを運搬中の製氷会社の配達員2名が、車内で二酸化炭素中毒、低体温症となった事故。2名は路肩に停車中の車内でぐったりしていた。車内には紙に包まれたブロック状のドライアイス30-40個、計約300kgが積載されていた。車の窓が閉められていたことから、車内に二酸化炭素が充満した可能性

*2020/07/08発生の、中国・爆竹工場でニトロセルロースの自然発火による爆発、火災
:6月末から気温が高い状態が続いたため、工場は製造停止中であった。化学品原料庫に保管されていたニトロセルロースが自然発火し、付近の建物に保管されていた約300個の爆竹の導火線や花火、爆竹などに延焼した可能性


今週お知らせした事故事例には、花火工場、爆竹工場での爆発事故が含まれていました。

7/3発生の、トルコの花火工場で爆発、火災と、7/8発生の、中国の爆竹工場でのニトロセルロースの自然発火による爆発、火災です。

トルコの花火工場での事故については、新型コロナウイルス(COVID-19)流行の影響で売れ残った煙火約110tが保管されていたとの情報があり、爆発規模が拡大した原因となったようです。

さて、新型コロナウイルス流行の影響と花火、といえば、日本では6/1に疫病退散を願って全国の花火業者163社が一堂に花火を打ち上げるプロジェクトが行われたのが記憶に新しいところです。今年は新型コロナウイルス流行により、多数の人が集まる可能性があるイベントが中止、縮小傾向にあり、例年夏場を中心に開催される花火大会もその例外ではありません。日本の花火業界も非常に苦しい状況下にあると想定されます。

そんな中、アメリカでは新型コロナウイルス流行の影響で花火が品切れになる可能性がある、という記事を見ました。

タイトルだけ見て、はて、一体アメリカでは何が起きているのか、7/4の独立記念日が関係しているのかと推測したのですが、実際には花火は花火でも、打上げ花火のような煙火玉ではなく、手持ち花火のような玩具煙火が不足するという話でした。

アメリカでも当然新型コロナウイルス流行の影響があり、独立記念日での大掛かりな花火の打上げは相当減少したようです。そんな中、外出自粛中に自宅でのレジャーとして手持ち花火をする人が増加して、花火の売上げが増加したとのことです。

前述の中国の爆竹工場での事故は気温上昇による生産停止中の事故とのことで新型コロナウイルス流行との関係はなさそうです。しかし、中国では年初来、新型コロナウイルス流行の影響で各工場での生産が停止され、花火工場や爆竹工場も例外ではありませんでした。言わずもがな、花火は中国での生産量が世界一で、海外への輸出量も多いです。そのため、花火の輸出にも滞りが出ていると推測されます。

アメリカで懸念される花火不足には、国内生産量のみならず、貿易の事情も絡んでいるようです。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子