RISCAD Update 2020年7月第4週【週刊化学災害ニュース】

2020/07/16 12:00– 2020/07/22 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年07月29日 10時00分



*2020/07/16発生の、大阪・アルミニウム加工工場でアルミニウム熔融作業中に火災
:工場の経営者がバーナでアルミニウムの熔融作業中に出火し、付近にあった灯油に着火した可能性。消防士1名が崩壊した建物の下敷きになり、意識不明の重体となった

*2020/07/16発生の、岡山・自動車内で冷却スプレー使用後にライターを点火して爆発
:軽ワゴン車内で冷却スプレーを使用後に、煙草に火を点けようとしてライターを点火した際に冷却スプレーから噴出された可燃性ガスに着火した可能性。付近の小学校の体育館の窓ガラス1枚が割れ、付近の住宅の窓枠や他の軽乗用車が破損した。乗車していた1名が顔や腕にやけどを負った

*2020/07/20発生の、福島・ガラス繊維工場で屋根の補修作業中に火災
:グラスファイバ製品を製造する工場の、屋根の補修作業中に起きた火災。作業員1名がやけどで軽傷となり、1名が熱中症の疑いで病院に搬送された。消火後の水が流入した付近の水路で小魚の死亡が確認された

*2020/07/21発生の、大阪・プラスチック製品工場で火災
:工場内の雑品から出火した可能性。同工場と隣接する別の会社の建屋など3棟に延焼し、計延べ約600平方mが焼けた

*2020/07/22発生の、韓国・化学工場でタンクローリへの過酸化水素積込中に爆発
:タンクローリに過酸化水素約8tを積込作業中に、約2.8tを積込んだ際に何かの原因で爆発が起きた可能性。従業員1名が死亡し、4名が重傷、消防士1名を含む4名が軽傷を負った

*2020/07/22発生の、大阪・運送会社の倉庫で火災
:荷物の積込み作業中に倉庫内から出火した可能性。倉庫など約600平方mが焼けた。倉庫内で作業をしていた1名が煙を吸って病院に搬送されたが軽症であった


上記7/16発生の、自動車内で冷却スプレー使用後にライターを点火したことによる爆発事故ですが、詳細は以下の通りです。
2020/7/16 岡山・自動車内で冷却スプレー使用後にライターを点火して爆発
駐車中の軽ワゴン車内で冷却スプレーの使用後にライターの火を点火して、爆発が起きた。付近の小学校の体育館の窓ガラス1枚が割れ、付近の住宅の窓枠や他の軽乗用車が破損した。乗車していた1名が顔や腕に火傷を負った。小学校の体育館は無人であった。警察の調べでは、近くでの住宅リフォーム工事の休憩中に軽ワゴン車内で冷却スプレーを使用後に、煙草に火を点けようとしてライターを点火した際に冷却スプレーから噴出された可燃性ガスに着火した可能性がある。
これからの真夏の暑い季節にたまに聞かれる、車内での冷却スプレー使用後の爆発事故です。車内で冷却スプレーを使用するだけでは、爆発が起きることはまずないと思われますが、そこに着火源があれば話は別です。

この事故での着火源は、煙草に火をつけようとした際のライターの火です。

同様の事故を想定する場合、着火源は煙草に火をつけるための着火具だけに限りません。しかし、場所を車内に限ると、それ以外で車内で火気を使用するシチュエーションはあまり思いつかないので、よく例としてあげています。

車内で起きるこれらの爆発事故の着火源は意外と限られているとしても、爆発の原因となる可燃性ガスが噴霧剤に使用されているものを車内で使用するケースは少なくありません。

この事故の原因となった冷却スプレーの他に、例えば、制汗剤、虫除けスプレーなどを、車内で使用されることがあるかもしれません。それらにも、製品によっては噴霧剤に可燃性ガスが使用されています。

また、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響で、車内で消毒用エタノールを噴霧するなどして、手指の消毒をする方もいるかもしれませんが、消毒用エタノールは可燃性液体であり、容易に着火しますし、噴霧され、気化した場合は、可燃性ガスと同様に着火します。

代表的な製品をあげてみましたが、それ以外にも車内で使用する可能性がある可燃性のものはあるかと思います。くれぐれも火気には注意しましょう。

なお、いずれも、真夏の高温となる車内に放置すれば、加熱により容器の内圧が上昇して破裂し、車の窓ガラスなどの破損につながることもあります。仕事の後、運動の後に使用するからと車内に放置することは避けましょう。

【参考記事】
さんぽニュース編集員 伊藤貴子