RISCAD Update 2020年9月第5週【週刊化学災害ニュース】

2020/09/25 12:00– 2020/10/01 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年10月07日 11時00分



*2020/09/25発生の、中国・建設中の通信機器研究施設で火災

:工業団地内に建設中の通信機器研究施設の火災。主に防音用建築資材が燃えた可能性。施設約5,000平方mのうち約850平方mが焼け、工業団地管理会社の従業員3名が死亡

*2020/09/27発生の、中国・炭鉱で一酸化炭素中毒

:炭鉱内のベルトコンベヤから出火した可能性。坑内には坑夫17名がおり、16名が一酸化炭素中毒で死亡し、1名が病院に搬送されたが重体

*2020/09/27発生の、福岡・停泊中の貨物船で積荷の中古車の火災

:トーゴ船籍の約7,400tの貨物船の積荷の輸出用中古車から出火した可能性。中古車数10台が焼け、乗組員1名が腕にやけどを負い病院に搬送された

*2020/09/27発生の、愛知・包装フィルム工場で製造機械の清掃中に火災

:化学繊維会社の鉄骨造2階建ての食品包装用ポリプロピレンフィルム製造工場で、フィルム原料の合成樹脂を熱処理して延伸する機械の清掃中の火災。初期消火にあたった社員2名が一酸化炭素中毒で死亡し、1名が喉にやけどで軽傷を負った

*2020/09/29発生の、福岡・金属リサイクル工場でタンク解体中に火災

:金属リサイクル工場に搬入された金属製タンク内に残留していたガソリンに、切断時の火花で着火した可能性。約4mの高さに積まれた金属スクラップが焼けた

*2020/09/28発生の、大阪・金属加工工場で火災

:工場約200平方mが焼け、隣接する建物に延焼した


先週、中国と日本で、一酸化炭素中毒による死亡者が出る事故が2件起きました。概略は上記に掲載していますが、もう少し詳細な内容は以下の通りです。
2020/9/27 中国・炭鉱で一酸化炭素中毒
中国・重慶市綦江区の炭鉱内で火災が発生して一酸化炭素中毒が起きた。坑内にいた坑夫17名のうち、16名が死亡し、1名が病院に搬送されたが重体となった。当局の調べでは、坑内のベルトコンベヤから出火した可能性がある。

2020/9/27 愛知・包装フィルム工場で製造機械の清掃中に火災
化学繊維会社の鉄骨造2階建ての食品包装用ポリプロピレンフィルム製造工場で製造機械の清掃中に火災が起きた。消防車など17台が約11時間後に消火したが、同工場と機械が焼けた。初期消火にあたった社員2名が一酸化炭素中毒で死亡し、1名が喉にやけどで軽傷を負った。警察と消防の調べでは、清掃のため火災の約1時間前から停止していたフィルム原料の合成樹脂を熱処理して延伸する機械から出火した可能性がある。同機械は、約30年使用されていたが、9/21の定期点検時に異常はなかった。
一酸化炭素は、炭素や、炭素を含む物質が燃焼する際、酸素の供給が不十分であった場合に不完全燃焼を起こすことで発生します。

中国の事例では、換気の良くない炭鉱内での火災により不完全燃焼が起きて一酸化炭素が発生し、避難できなかった坑夫16名が一酸化炭素中毒により死亡、1名が重体となった可能性があります。

また、愛知の事例では、死亡した従業員2名について、「初期消火を行おうとして煙に巻かれた」という報道があることから、初期消火をしているうちに煙に巻かれ、一酸化炭素を吸い込んで中毒となって、逃げ遅れた(逃げられなくなった)可能性があると考えられます。

もちろん、火災以外にも一酸化炭素が発生することはあります。私たちの身近な場所ですと、ガス調理器具の不完全燃焼や、換気状況が悪い部屋での炭火の使用などがあげられます。よろしければ、私たちの身近なところで発生する一酸化炭素による中毒を防ぐために気をつけたいことが書かれた、過去のRISCAD CloseUPの記事をご一読ください。

私たちの身近な場所での一酸化炭素中毒【注目の化学災害ニュース】2018年6月のニュースから RISCAD CloseUP

また、来月のRISCAD CloseUPでは、前回から始まった「自然災害への心構えと備え」と題したシリーズで「一酸化炭素中毒」について触れたいと思います。自然災害と一酸化炭素中毒、そこにどのような関係があるのか?更新まではまだ時間がありますが、いましばらくお待ちください。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子