RISCAD Update 2021年5月第3週【週刊化学災害ニュース】

2021/05/14 12:00– 2021/05/21 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2021年05月26日 10時00分



*2021/05/17発生の、宮城・製油所でタンクの配管部品の交換中に硫黄が漏洩

:硫黄タンクの配管の部品交換作業中の事故。原油からガソリンや灯油を精製する過程で回収された約120℃の液体の硫黄約300Lが漏洩。社員と作業員計5名がやけどなどで軽傷

*2021/05/17発生の、兵庫・パルプ工場で木材チップサイロの火災

:ボイラ燃料用の木材チップ約300tを貯蔵するサイロでの火災。消火に約5日を要した。工場は5/1-6/11まで定期修理中であった

*2021/05/18発生の、島根・原子力発電所の事務所でリチウムイオンバッテリの火災

:投光器の予備用リチウムイオンバッテリから出火した可能性。現場の情報室は、放射線管理区域外の管理事務所の2階にあり、放射性物質の漏洩はなかった

*2021/05/18発生の、愛知・樹脂製品工場で酢酸エチルの希釈中に火災

:酢酸エチルを溶剤で希釈する作業中の火災。作業をしていた従業員1名が煙を吸って病院に搬送されたが軽傷

*2021/05/19発生の、岐阜・廃棄物処理施設で廃棄物選別中に化学物質が漏洩

:施設に運搬された廃棄物の袋を開けて中身の選別作業中に化学物質が漏洩した可能性。作業員4名が目や喉の痛みで病院に搬送

*2021/05/20発生の、大阪・金属加工工場の廃液タンクから二酸化窒素を含む煙が発生

:金属加工や液晶パネル基板を製造する工場での事故。リン硝酢酸が含まれる廃液のタンクに誤って薬品を混合し、化学反応が起きた可能性。従業員1名が体調不良で病院に搬送


このところ、上記5/19の岐阜での事例のような、廃棄物回収・処理に関する事故のニュースをよく耳にします。
2021/5/19 岐阜・廃棄物処理施設で廃棄物選別中に化学物質が漏洩
廃棄物処理施設で廃棄物の選別作業中に化学物質の漏洩が起きた。強い刺激臭が発生し、作業員4名が目や喉の痛みで病院に搬送された。警察と消防の調べでは、作業員が同施設に運搬された廃棄物の袋を開けて中身の選別作業中に、化学物質が漏洩した可能性がある。
ほかにも、4月には以下のような事故事例がありました。
2021/4/21 滋賀・廃棄物収集車でスプレー缶から火災
走行中の廃棄物収集車でスプレー缶から火災が起きた。作業員1名が顔にやけどで軽傷を負った。市の調べでは、回収した不燃廃棄物の中に、ガス抜きされていないスプレー缶が複数混入しており、収集車内で圧縮された際に、スプレー缶内に残留していた可燃性ガスなどが漏洩して着火した可能性がある。同自治体では、使用済みのスプレー缶は、中身を空にし、穴を開けて資源廃棄物としてスプレー缶類の回収箱に廃棄する決まりであった。
2021/4/27 北海道・廃棄物処理施設で破砕処理中に爆発
廃棄物処理施設で廃棄物の破砕処理作業中に爆発が起きた。施設が損傷した。作業員1名が負傷した。一部の施設が補修のため稼働を停止した。不燃廃棄物に爆発の原因となる廃棄物が含まれていた可能性がある。
いずれの事故でも、作業員の方が負傷されています。また、4月の事故では、廃棄物収集車の焼損、処理施設の損傷が起きています。

私たちが生活すれば、少なからず廃棄物が出ます。自治体の収集計画に則って廃棄物の回収・処理がされているからこそ、私たちは日々衛生的な生活を送ることができています。

回収・処理に携わる作業員の方の身の安全を守ることはもちろんですが、私たちが衛生的な生活を維持するためには、廃棄物収集車や廃棄物処理施設などのインフラの損傷の原因となるような事故をなくしていかなくてはなりません。

廃棄物の排出ルールを守らないなどの無責任な行為により、事故が起きるのは言語道断です。しかし、気づかないうちにルールが変更になっている可能性もなきにしもあらずです。あなたのお住まいの自治体の廃棄物の分類、排出方法などについて、もう一度確認してみませんか。

 

【参考記事】

さんぽニュース編集員 伊藤貴子